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連載「つつむ」をつくる  第2話

「つつむ」をつくる

1976年に、私たちの会社は「パッケージアート」という名称に変わりました。

先代の「つつむ技術だけでなく、そこに豊かさを感じさせるものがなければならない」という信念を表したものです。「アート」には”技術”と”表現”との意味を込め、パッケージを通じて広がる豊かさを意識しています。

私たちのモットーである「つつむ」をつくるという言葉には、そうした思いが込められています。豊かさの源泉は、お客様の製品でありサービスです。その価値はお客様のブランドにあります。「つつむ」をつくるとは、お客様のブランドをパッケージを通じて支えるということです。私たちは、お客様のブランディングのパートナーとなりたいと考えています。

この思いをお伝えしたく、4話のブログに綴りました。今回は、その第2回目です。

第2話:パッケージは、対話から

イメージをつむぎ出す

「つつむ」をつくるとは、お客様との共同作業だと考えています。

お客様が築いてきた「ブランド」の価値観やイメージを「パッケージ」という具体的な形に転換していくプロセスが「つつむ」をつくるです。パッケージという具体的な形をつくるために、お客様のブランドイメージを理解し、言葉にし、色にし、形にしていく必要があります。初めから完成した図面に落とし込まれて渡されることは少なく、コミュニケーションを重ねながら、積み上げていくプロセスなのです。

その核心に対話があります。私たちの仕事は、常に対話から始まります。できるだけ大きく耳を広げて、お客様の言葉やイメージを理解することに全力を傾けます。

例えば「あたたかい感じ」という言葉にも、それぞれが抱くイメージには微妙に違いがあります。黄色なのか、オレンジなのか、ブラウンなのか。紙の質感は、クラフト紙のようなものか、和紙風なのか。視覚的にも、触感的にも、あるいは嗅覚的にも、お客様の持っているイメージは多様です。

海の近くで育った人の「青」の感じは、そうでない人とは微妙に違うのかもしれません。また、場所によっても、感じ方は異なるかもしれません。明るい南洋の海なのか、厳しい北洋の海なのか。

山で育った人の「みどり」の感じも、街路樹しか知らない都会の人たちの感じるみどりとは少し違うのかもしれません。

人の持つイメージとは、人の生きてきた背景やライフスタイルなどに影響されています。とても深いところにつながっていて、はっきりとは言葉で伝わらない感覚です。それを紡ぎ出す作業が対話に他なりません。

ブランドに「フィット」するパッケージづくり

お客様が大切にされているのは、目にみえるデザインだけではありません。例えば、現代の人々は「資源」という言葉に敏感になっています。でもその意味するところや、感じ方は異なるものです。パッケージを扱うものとして「資源」という言葉は、軽くは扱えません。お客様のブランドイメージに直結するところでもあり、そのポリシーや方向性といったものについても深く耳を傾けます。

対話というのは、言葉だけでなく、もっと広いコミュニケーションのやりとりです。特に日本人は空気感というものを大事にしますので、私たちも五感を使って聞きます。はっきりイメージを持っている時、迷っている時、探している時、じっと考えたい時、何かが降りてくるのを待っている時。お客様の置かれた状況も多種多様で、しかも変化します。対話とは、本当に奥深いものですね。

アパレルショップの店員さんが、「この服がお似合いです」とアドバイスをくれるのは本当に助かるけれども、「この服はあなたの気持ちや感性に合ってますか」と寄り添ってくれると更に嬉しい。最近、「フィットする」という言葉をよく聞きますが、お客様の製品や作品、ブランドイメージにフィットするパッケージを一緒につくっていきたいと願っています。

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